適正量は人それぞれ。整理収納の目的。
今回はこんな整理収納もあるのだという事例をご紹介します。私も作業が終わった瞬間、(これが私がやりたかった仕事だったんだ!)と心の中で叫んでしまいました。
ご依頼者は8畳の和室をご自分の衣裳部屋にされています。天井から吊った突っ張り棒4本。大きな扉付きのクローゼット。押し入れ上下。90cm幅の物入れ。引き出しのタンス。全ての洋服は何枚になるでしょうか。1000枚は軽くあるでしょう。タグがついたままのお洋服もたくさんあります。段ボールや紙袋、衣装ケースなどから全て出します。夏服、冬服。Tシャツ、シャツ。スカート、パンツ。それぞれのカテゴリーに分類していきます。「これは色違いで買った」「これは〇〇が気に入って買った」など全てのお洋服を把握しておられて愛着がある様子が伝わります。
本来の整理収納のステップでいけば、
- 残すモノ・手放すモノ。
- 着るモノ・着ないモノ。
- 好きなモノ・好みでないモノ。
- 状態のよいモノ・悪いモノ。
のように区別していく作業が発生しますが、数枚の状態の悪いモノ、人に譲るモノを除いてほぼ残すことになりました。大体のケースは収納スペースに限りがあるので、処分が必要になります。ですが大容量のスペースがあるので収まるのです。適正量はそれぞれなんですね。何より全てのお洋服に愛着があります。多分着ないであろうお洋服や似合わないけど可愛いと思える服を手元に置いていきたいとのご要望。
モノは使って初めて活かされる。整理収納の鉄則ですが、このように仕舞いこまわずショップのように飾るのも楽しい作業です。
そしてTシャツなどはさらにスポーティー・オシャレ用など種類別に分けて引き出しに。趣味の習い事の道具、ステージ衣装、小物、レッスン用なども一まとめにしてクリアケースへ。全てラベリングして欲しいとのことでしたので色別のインデックスに中のモノが一目でわかるよう表示させていただきました。
ポールに吊るす衣類は、種類別、色別、丈の長さ別にしました。使用頻度、仕事用、私服用などと分けるのが見やすいく使いやすいクローゼットとは思いますが、お部屋全体がクローゼットなのでカテゴリーは大きくなります。
そして色別、グラデーション、長さ別に吊るされたお洋服を見て何度も「すごーい!」「キレイ☆」と言われて「こんな風に変わるとは想像もしていなかった。嬉しい!」「ほんの少しの工夫でこんなにも景色が変わるのね!」と喜んでくださいました。
作業が終わった時、その空間に立ったとき、ときめいたりワクワクする気持ちになっていただけるのが最高の瞬間です。私はこの景色を見たくてこの仕事をしているのだと感じました。
後日、このお部屋に行くのが楽しくて何度も行ってしまう。着た服は元の場所に戻して保っているとご報告をいただきました。そして他の部屋もどのように変わるのか見たいとのお言葉をいただき、リビング、キッチン、洗面所、作業部屋を日にちをかけて手掛けさせていただく事となりました。